うちの家は美容院を経営していて、1階がお店で2,3階が自宅となっている
階段を降りてお店に繋がる廊下を走る
「あっくんみてっ!最後の制服!!」
お店で開店の準備をしているあっくんこと
大矢あきら
の元へと披露しに行く
「毎日みとるけどね」
半笑いで制服姿を一瞬見て、床をホウキで掃き始めた
「もーーー!最後なんやしちゃんとみてよー!!明日からコスプレになってまうやん」
子供のようにだだをこねるあたしを、あっくんは冷たく「あーはいはい」とあしらう
「むー」
あたしにとっては特別なのに、やっぱり大人にとっては特別なことじゃないみたい
そう落ち込んでいると
「まぁ」
あっくんがあたしを呼ぶ
「こっちおいで」

