「ケン様っこちらですっ」


そう。俺は今、マリル王国にいる。


目の前には

豪華なドレスとティアラに身を包んだアンがいる。


今日はアンの

婚姻の儀が行われる。

(やべー…すっげえ綺麗…)


アンを見つめると

俺の視線に気付いたアンが照れ臭そうに頬を染める。


(……!…その顔反則だろ…)

俺は手で口元を隠しにやける顔をごまかす。



ちきしょう…

こんな可愛い王女の隣に座る

幸せ者は……