配布物を持ってくれている男の子と一緒に階段を上がる。




「重くない?大丈夫…?」



その男の子に運ばせていることがすごく申し訳ない。





『全然大丈夫ですよ。あの、何階なんですか?』




「えっと…4階。遠いのにほんとにごめんね」



4階だからなおさら、無理してないか心配。





『そんな気にしないでください』





なんてやりとりをしているとあっという間に遠いはずの4階の教室の前。




「ほんとにありがとう」




『いえ。教室に入っても大丈夫ですか?』




「大丈夫だけど…そんな悪いよ…」




『大丈夫ですって。じゃあ…失礼します』




そう言うと男の子は教卓に配布物を置き、教室へ帰って行った。