***
移動教室。
1年生の教室のある隣の校舎。
るいくんいないかな、なんて思いながらチラッと1年生の教室のほうを見てみる。
廊下にはあまり人が出ていなくて、その中にもるいくんの姿は見当たらない。
やっぱりいないか、って少しだけ肩がさがる。
階段を降りようとしたとき、下から聞こえてくる男子生徒の声。
まさか、とは思いながらも少しだけ期待しながら階段を降りる。
まさに、そのまさかだった。
朝、聞いたばかりの声が聞こえてくる。
『紗乃先輩。こんにちは』
「こんにちは」
ドキドキするのを抑えて、少しだけ微笑む。

