「兄貴に言われなくてもそうするし。 梨緒が“別れたい”って言っても別れねぇし。」 「え、そんなこと言わないよ。」 「だろうね。 梨緒ちゃん、一途そうだもん。 んじゃ、俺そろそろ帰るわ。 俺がいたら、邪魔だろ。」 「帰れ、帰れ。」 「じゃあな。 梨緒ちゃんも、またね。」 「はい。」 咲輝さんは、手をふりながら病室を出ていった。