「……寒い…。」 「大丈夫か?」 「うん、大丈夫。」 「ん。」 尚輝はそういって、手を差し出す。 私はその手を取った。 「尚輝の手、あったかい。」 「梨緒の手、冷たすぎる。」 「だって寒いんだもん。」 私がそういうと尚輝は、手を握ったまま、ポケットに手を入れる。