-優斗side-


「……ゆうと…、…もっ…とっ…」


「………」


────……


 耳が痛くなるような甘ったるい喘ぎ声をさんざん聞かされたあと、行為を終えた俺は、空き教室を出ようと服を着ていた。


「…ねぇ…、ゆうと…」


 静かな教室に、今まで行為をしていた名前も知らない女の声が響いた。


「………」


「…あたしと……付き合ってくれないかな……?」


「無理。」


「…えっ…? …ど…どうして…!」


 女は、信じられないような顔をしていた。


「だっ…て…、…体の相性もいいし、外の人より長く続いてるし、それに、それにあたしたち、美男美女でお似合いじゃん!!」


 聞いてもないことを話し出した。

 なんだそれ。うんざりする。


「だから?」


「…えっ…?」


「だから何だよ。」


「……だから…、あたしと付き合ってよ!」


「無理。」


「なっ、なんで! どうして!」


「お前に言う必要はねぇ。」


「ちょ、ゆう…」


「とっとと失せろ。」