幼き日の婚約者



学校が終わり帰ろうとすると凪沙に捕まった。


「ねえ、フィアンセと喋らなくていいの?」



「だって…向こうは私のこと覚えてるかわからないし…」




「はいでた〜。出ました莉子お得意のネガティブ発言」


と言いパチパチと拍手する凪沙。



「もー!やめてよ〜!」


「あんたって本当奥手だよね」



うっ…それを言われると…。


「おい、水島!これお前しといてくれ」



「え…あ、はい」


先生が持ってきたのは大量のプリント。


10枚づつホッチキスで止めるという地味な作業。


今日、寝てないのに〜…


凪沙は先に帰るし私でするしかない。


まぁいいや、頑張ろう。



私はよしっ!と気合を入れホッチキスを手に持った。