幼き日の婚約者



「莉子?どうした?」



「……凪沙。あれあれが…」




驚きのあまり上手く喋れない。




「ん?なんて?」




「あれが…け、健ちゃん」




「あんたがずっと言ってたフィアンセ!?」



間違いない。


健ちゃんだ…



健ちゃんは席を立ち教室を出る。



私は声をかけることも出来ず、その場に立ち尽くした。