ジュノと、ジュノの周りにしっかりと付きまといながら何処かへと進んで行く、彼らは、カゲンの前を横切る。この時、彼の赤い髪は、この衝撃の風で微かに揺れ動いた。

カゲンは、しかめっ面で、見えなくなるまで、家来達を睨み付けた。


無心に、彼女は歩き続けた。ただ、ぼんやりと見つめていたのは、地面である。

少し、湿った土の地面。この上に、小さな石ころは大量に転がっている。真緑色の美しい草は、この時、単なる、緑色に色付けされた細い紙切れのようにしか、見えなかった。

すると、突然、家来達は止まる。

ジュノは、それに合わせ、足を止めた。

ぼんやりと無気力な目を、真っ正面に向ける。そこにあったのは、奇妙な扉。この扉には、見覚えがある。

木々が生い茂る、この場所に立てられたその扉は......とても頑丈な貴金属で出来ており、良く見れば細かくネジが一万と埋め込まれているのがわかる。

そうだ......この扉は......

《闇の精霊・封印の扉》


なぜそれを、私は、忘れているのか?

自分で自分を疑問にぶつける。