私は生まれたときから体が弱くて、よく病気になっていたの。


母はいつも看病してくれて

父もいつも心配してくれて…


あの頃は幸せだったわ。




でもある日…


9歳になった私は学校へ行けないかわりに、一人で冒険をしていたの。


…体力がなくてね、みんなと同じことができなくて


でも家では勉強してたのよ?


いつでも学校へ行けるように。


…話がそれてしまったわ。


冒険の話だったわね。


あてもなく歩いて、道なき道を進んで


そして知らない場所へ辿り着く。


そこには新しい発見がたくさんあった。


私ったら学校に行く体力はなかったのに、冒険へ行く元気はあったの。


おかしな話よね。



家にいては感じられない自然の雄大さ、


何かを語りかけてくる風の囁き、


命の尊さまでも感じられる冒険に


私は溺れていったの。