―――3年前。


トントントン。
「ねぇ、春川さん俺春川さんのこと好きなんだけど?」
あたしになんか言ってる変な後ろの席の男の子、葉宮春輝。
「断る。」
「えー。あっ、じゃあまゆちゃんって呼んでいい?」
「断る。」

吉川くんは今年同じクラスになったひと。
正直かっこいいとは思う。なんでもできるし。でも正直苦手。


だって、
「ねー。俺ってなんでもできるんだよ?」
これが同じクラスになってうちに対しての一言目だよ⁉
そんな人に好印象もてるわけないって…。

当時のあたしはそう思ってた。

でも本当になんでもできる春輝にどんどんひかれた。
いつのまにか好きになった。

たくさん話して、手をつないで、笑い合って、キスをして、
想い出をひとつひとつ私たちはつむいでいった。