彼が涙を流した理由

久保あさひ、14歳。





今までにないほど緊張しております。





図書室扉前でうろちょろすること約5分。





こうしている間にも、出口君を待たせているのだから、早く行かなきゃと思う。けど………





「すみません、掃除で遅れました。何か手伝えることありますか?…………よし、うん、大丈夫、ってことにしておこう……」





震える手を抑えつつ、ゆっくり扉を開ける。





ガララ……





「すみませ…………って、えっ?」





図書室は、無人だった。






ううん、違う。






カウンターと書かれた席に、ひとり、いた。










――――――――――出口君が、いた。