あんなに綺麗な指先だったのに… そして大輔は、とんでもないことを口にした。 「…俺はもうすぐ…歩けなくなる…喋れなくなる…動けなくなる…息が…出来なくなる…」 私は言葉を返そうにも、どう返していいかわからず、聞きいるしかなかった。 「原因不明の吐血、痺れ、立ちくらみ。それに左半身は、ほとんど腫瘍に埋め尽くされてる。」 確かに最近の大輔の歩き方は、左足を気付かれないように引きずってた。 舞台の時も… 「だから最後に…お前と、話したかった。」 ふいに、大輔が立ち上がる。