「ぶっ通しで行っていいすか?」
「うん。台本34~36までやるから。音頼んだよ。」
音、裏方、そして主役。
この全てがきっちり揃った時に、素晴らしい舞台が出来上がる。
舞台を造るのは、俺達でも、裏方でも、音でもあるんだ。
そう、大輔が教えてくれた。
そして、監督の3年の先輩が大声で叫んだ。
「おーし!!今日も張り切って行くぞ!!んじゃ、台本34のミレルの台詞、『お前が~』のとこから!!」
そう言った瞬間、幕が上がり、倒れている悠貴とそれを支える椿先輩が現れる。
スポットライトが2人に当たり、悠貴が台詞を言い始める。

