七色花火


深緑の生地に、黄緑色の線が入った浴衣。

背中には大きく『I LOVE ROCK』。

椿先輩もいないみたいだし…一人かな…

大輔はただ、空を眺めてた。

でも今日の空は、特別綺麗って訳でもない。

何で見てるのかな。

「美羽~?そこにいるだろ?美羽~」

名前を呼ばれて、体がビクッとなる。

すると大輔が、ゆっくりとこちらを向いた。

その瞳は、とても誠実で。

嘘も偽りも無い、そんな瞳だった。

見つめられて、体がドキドキする。