それから私と先輩は、体育館の前を通った。
声が、体育館に響いてる。
「…私は貴女を愛しているんだ…!!この世界の誰よりも…誰よりも愛しい…!!」
「…たとえこの身が砕けようと、私の気持ちは変わらない。」
「えっ…?」
先輩が、台詞を口ずさんでいた。
それが、上手く大輔の台詞とハモる。
「…俺さ、本当はカヤトがやりたかったんだ。」
初めて、先輩の本音を聞いた。
先輩はいつも、どんな役でも文句1つ言わず、なりきって演じていたのに。
「ほら…ルルアに対しての愛が強いだろ?…ミレルも強えけど、なんか違えんだ…」
先輩の目は凄く悲しくて、色んな苦労が滲み出てる気がした。
「一途に…ただ一途に、女を愛せるって、凄え憧れてさ。」

