七色花火


昼の2時過ぎ。

体育館は、涙と感動で溢れかえっていた。

「…!!カヤト様…ミレル様…!!」

「…ルルア姫…!?」

「ルル…ア……ルルアなのか……」

ルルアを巡り、戦いの末勝ったのはカヤト。

そして、今はミレルの最期のシーン。

もう演技が上手すぎるんだよこの3人


「ミレル様…!!どうなされたのです…」

「…ルルアよ…よく、顔を…見せてくれ…」

ミレルの手がルルアの手に触れる。

その手をそっと触るルルア。

要部長のはずなのに、ミレルに見える。

椿先輩なのに、ルルアに見える。

「…ルルア…俺の最期を……聞いてくれ…」

「そんな…!!ミレル様!!」

「ルルア姫…!!聞いてあげてはならぬのでしょうか…」

「……ミレル様…」

ルルアの目から涙が落ちた。

そして私の目からも涙がポロポロと落ちていく。