七色花火



「……大…輔」

声が掠れる。

5年たった今でも、大輔の顔ははっきりと覚えてる。

笑った顔

怒った顔

泣いた顔

優しい顔

嬉しい顔

驚いた顔

悪戯な顔

可愛い顔

何もかもが記憶に植え付けられたままで、何も進んでなんかいない。

心はあのときのまま。

どうして、大輔だったんだろう。

大輔が死ぬ理由なんて、無かった。

何も、無かったよ。

ねえ神様…

大輔に、会わせて下さい…

お願いします…

なんでもするから…

一瞬でいい。

一瞬でいいから、顔を見せて…

大輔に…会わせて……