七色花火


落ち着いたとこで、お墓参りへと向かう。

外の紅葉は全て枯れ落ちて、床に転がる悲しい葉っぱになった。

季節と時間だけが、過ぎていく。

大輔がいない限り、私の時間は止まったまま。

何度も進もうと思うんだけど、全く進めなくて。

「…ついたねぇお墓」

「…そうだな。」

何だかんだであっという間についたお墓。

ヒマな時はいつも来ているせいか、お墓周りは綺麗で、掃除の必要がなかった。

『牧野家』

そう書かれたお墓の下に、大輔が眠ってると思うと、涙が溢れそうになる。

「…大貴…パパんとこおいで」

何かを察したのか、悠貴が大貴君をだっこする。

次の瞬間、涙が溢れて目の前がぼやける。

「…美羽ちゃん……」

鈴子さんの声が、頭に響く。

毎日会いたくて

会いたくて

会いたくて

会いたくて

会いたくて

会いたくて

会いたくて

気が狂いそうだったことに今更気づく。