七色花火


持っていたカバンを落として、大輔に歩み寄る。

足が震えて、怖くなる。

この人は…本当に大輔なの…?

「……大輔…?」

そっと、名前を呼ぶ。

すると、ゆっくりと振り返ったのは、…大輔だった。

そして、優しく微笑んだ。

あの大好きな笑顔で。

「…だ、大輔なの…?」

「……うん」

掠れた声で、返事をする。

8か月振りに喋った言葉は、『うん』

たった一言なのに、涙が出るほど嬉しくて。