七色花火


衝動的に、大輔の手を握る。

相変わらず、冷たくて悲しい手。

ピクリとも動かない指の無い手は、私の手の温かさを思い知らされる。

こんな状態になるまで、大輔に何も出来なかった私。もう後悔しかないんだ。

あの時に、『行かないで』って言っていれば少しは変わったはずなのに。

あの綺麗で純粋な瞳を見ることは、もう二度と無いのかな。

あの優しい大好きな笑顔を、もう見ることは無いのかな。

あの掠れた声で呼ぶ名前を、もう聞くことは出来ないのかな。

大輔が今起きていたら、何て言っただろう。

大輔。

もう一度だけ、目を覚まして。