七色花火


でも、そんなことなんて気にする余裕はなかった。

ただただ、大輔に話しかけた。

もしかしたら、反応してくれるかも知れない、って思った。

「…今日の数学の先生さ…マジうざかった。吉谷先生だよ?覚えてる?もうすっごく腹立ってさ、授業とかほとんど聞いてなかったし。ずっと大輔のこと考えてたよ?…今何してるかなとか。…寒くないかなとか。……起きたかなとか…」

もうずっと喋り続けてる。

何してんだろうって自分でも思う。

すごく虚しくなって、泣きたくなる。

…もう泣いてるか。

「…私さ、最近勉強してないなぁって思うんだよね。それは多分、いや絶対……絶対、アンタのせいだと思うんだよね……起きないからさ…?……大…輔が。……私、大輔のことばっかり考えておかしくなりそうだよ。どうする?このまま大輔が死んじゃったとして、私がおかしくなったら。…死んじゃった大輔としては何も言えないよね。」

私、今誰と話してるんだろう。

何言ってんだろう。

他人からは、絶対おかしい人と思われてるよね私。

多分先生からも、看護師さんからも。