そんなある日、お医者さんに呼ばれた。
そして告げられた言葉は、とても残酷な現実だった。
「…牧野さんがこのまま目を覚まさないのなら……持って、1年…短ければ、半年…」
「………半…年…」
言葉も涙も出なかった。
大輔はもう半年しか生きられない?
ふざけないでよ。…大輔が何をしたの?
罪を犯してない人間が、どうしてこんな罰を受けなくてはならないの?
絶対におかしい。
世の中は…間違ってる。
そんなことを思いながら、病室へ戻った。
音なく開けられた先にいるのは、眠りについている大輔。
もしかしたら永遠の眠りかも知れない、眠りに。
そっと握る手は冷たい。
氷のような…雪のような…
私の大嫌いな季節の温度。

