ー2か月後ー
「…今日は…寒いなぁ…」
あれから2か月。
11月になり、季節は冬に。
雪も降り始めて、毎日寒い日が続く中、大輔の病状は悪化していった。
毎日吐血と嘔吐の繰り返し。
腫瘍はどんどん繁殖していって、大輔は右腕を肩から、左足を股関節から切断することになった。
1か月前、両方の手術が終わって、3週間前くらいに包帯を外した。
傷口を見ると、痛々しい傷跡が残っていただけで、私を抱きしめてくれた腕は、どこにもなかった。
それを見て大輔が、手や足が無くなっても、俺は俺だよ、と言っていた。
そんな言葉が辛くて、私は大輔のいないところで泣いていた。
大輔のために、毎日笑顔でいることを心がけた。
しかしそれももう無駄になっていた。
ちょうど2週間前くらいからだった。
お見舞いに行ったら、大輔が息をしていなかった。

