音もなく開かれたドアに、大輔が振り向く。

その顔はとても痩せ細っていた。

前は、中学の時に鍛えた筋肉を自慢してたのに、そんな腕もとても細くて。

髪も綺麗な茶色だったのが、ほとんど抜け落ちて、白い帽子を被ってる。

そして一番私が驚いたのは、大輔の下半身。

右足は無かった。左足も、膝から下は切断されていて。

「…大輔…なの…?」

思わず、聞いてしまった。

これほど人相が変わるものかと、驚かされた。

「…美羽……なのか……?」

だるそうな体を起こして、私に問いかける。

近くに寄ってみる。

前に包帯をしていた手は指が無く、右腕も肘から切断されていた。