七色花火


「…牧野は、すぐ近所の最上病院にいる…」

「えっ…?私、そこ行ったのに…?」

「…移ったんだよ。県外の病院から、ここまで。…もう、どうしようもないんだと。」

私を離して、悠貴は背中を向ける。

「…悠貴…」

「…美羽。…行けよ。俺はお前のこと、絶対忘れないから。すげえ幸せで、忘れられないから…」

「…うん。ありがとう…私も、悠貴といれて良かった…とても…幸せだったよ…」

それだけ言って、私は多目的室を出た。