「…大輔は、病気なの…」
「っ…」
俺は唖然とした。
どういう態度をとっていいかもわからねえ。
ただ、話を聞くしかなかった。
「…大輔の病気は、100万人に1人の珍しい病気なの…しかも、その患者は世界で手の指の数ほどしかいない。もう、大輔は2年…ううん、1年も生きられないかも知れない…」
香が、目をうるませながら喋る。
その姿は、あの時俺に告白した時と同じで。
「…だから大輔は…残り少ない時間を…田村ちゃんと一緒にいたいって…」
俺の心に、その言葉が大きくのしかかる。
美羽と…一緒にいたい。
「…それでお前は、別れた訳?」

