七色花火


ー大輔がいなくなる2週間前ー


俺が、部活の後片付けをしている時だった。

「…悠ちゃん。」

そう呼ばれて思わず振り返る。

『悠ちゃん』

俺のことをそう呼ぶのは、1人しかいない。

「……香…」

別れてから2、3年振りか。

こうして話をするのは。

「…田村ちゃん、帰った?」

「…あぁ。」

「…ねえ悠ちゃん。…悠ちゃんに話があるの。」

そう言って、多目的室に呼び出された俺。