「…なあ」
「えっ…!?」
(突然喋りかけないでよ…はずかしい///)
「なんでさっき逃げたの?」
「あ、いや…驚いちゃって」
「そっか」
嘘をつくのは得意じゃない。
今の嘘も棒読みだったし、
バレてるかな……
「送ってくよ」
「え!?いやいいよ、一人で帰れるし…」
彼の優しさに理性が飛びそうだった。
子供扱いしてるのか、
それともうまく歩けない私を気遣ってるのか…
「あ、そういえば名前………」
ガラガラ……!!
「あ!いたー、あおくん遅いよー。
ずっと待ってたんだ…よ………」
(あぁ…この人の彼女さんか……)
彼女は私の方をみて、
一瞬起こっているような表情を見せ、
目線を私の隣にいる彼に向けた。
「この子は…?」
「ん…、同じクラスの藍沢。
階段で足痛めてたからここで休んでただけだよ」
彼の言い訳は、すごく冷たい言葉に感じた。

