「席について、みんな」

とか何とか言ってる担任を無視して本を読む。



(どうしよ。知ってる人一人もいないんだけど)




私の中学はすごく小さくてほぼだれもいない。

どうしようかな。。。 とか思っていたら

「なあ、お前なんで本読んでんだよ」


ちょっとうるさいなとか思ってた後ろの男子が声をかけてきた。


「え、いや別に話聞かなくてもなーとか思って」

「は? お前変なやつだな。 あ、もしかして知り合いがいないとか?」

にやにやしながら聞いてくるこの人は誰なんだろう。

でも図星だわ、とか思って黙っていたら

「おい、お前聞いてんの? お、もしかして図星?
 
 ふーん、なら仲良くなろうぜ。 俺は松下。松下冬馬。 よろしく!」

にかっと歯を出して笑う彼はすごく爽やかだった。


「冬馬ね。 わかった! 私は茉莉奈。 南出茉莉奈!」


「へぇ、茉莉奈。 了解。」