「おい、待てよ…」
背後から声が聞こえた。
ルネッセント・シエル・ルーズナブルは自分の手元をみた。
赤く光る緋石、『太陽』。ダイヤモンドが血に染まったと言われる宝石。
「なんだ?」
ルシアは、男声を出した。ルシアの得意技、100の内の1つ。

「ルネッセント・シエル・ルーズナブルだな?」

なぜ、私のことを知っている?何者だ、こいつ。
「あぁ、後ろを振り向いてもいいよ」
私はゆっくりと後ろを振り向いた。

銀色の髪に青い瞳。白い肌。襟付きの白と黒のコートが白い肌を目立たせている。

「 ヒスタリア・ジェスタ・カーズナ」

「あ、知ってる?こんな美しいお嬢さんに覚えてもらえるなんて光栄だね」

「何故私に話しかけたの?」
男声のまま話す。

「それは君がよく知ってるんじゃない?」

!?
こいつは知っている。
でも、宝石は懐の中。バレはしない。 
「知らないよ」

「それじゃ、分からせてあげる」

一歩一歩とジェスタはシエルに近づいた。
「な、にを…んっ…ふっ……」
ジェスタは自分の唇をシェルのそれに重ねた。

「これでわかった?」
ジェスタがシエルから唇を離したのはシエルが腰を抜かした時だった。

「あー、エロい顔。何つー顔してんの?」
「エロい顔なんかしてない」

「ふっ。これは貰っていくよ。んじゃあね」

そう言い、男、ジェスタは緋石を持って去って行った。
「…くっそ~!!」

シエルの叫び声は 新月の夜に響いた。