「これ、あげる」

そう言われて手を差し出すと、チリンと小さく鈴の音が鳴った。

鈴木くんがデスクの引き出しから取り出して、私の掌の上に乗せたのはセカイブラックのキーホルダーが付けられた鍵だった。

「不安になったらいつでもおいで」

合鍵にまで戦隊ヒーローグッズをつけているなんて、鈴木くんってどれだけセカイジャーが好きなの?

おかしくって涙が出そうになる。

目の前にぶら下げると、ヒーローがゆらゆらと左右に揺れた。

仁王立ちでポーズを決める姿はなんて勇ましいのかしら。

ハロー、マイヒーロー。

次に不安に襲われたらあなたが私を守ってね。

「鈴木くん!!」

「うわっ!!」

すっかり油断していた鈴木くんに抱き付くと、一緒にベッドになだれ込む。

……私はやっぱりこんな鈴木くんが大好きです。