電車が左右に不規則に揺れている。 駅に着くとちょうどタイミング良くやって来た電車に私は飛び乗った。 窓ガラスに映るのは陳腐な街並みではなく、哀れな女の泣き顔だ。 コツンと窓ガラスに額をぶつける。 (これで、本当に終わりね……) 他の乗客に不審に思われないように声を押し殺す。 今度、誰かに恋をする時は。 大好きなケーキみたいな甘い恋をしよう。 蕩ける恋は三層構造。 甘い、甘い、ほろ苦い。 時にはスパイスを効かせて。 さあ、どうぞ召し上がれ。