「大丈夫、俺の家でも録画してあるから。今度持ってくるよ」

「……そーする」

陽くんは眠気に負けたのかむみゃむにゃと呟くと、大人しく俺の首に手を回した。

リビングを出て階段を上ると、そのままひろむくんが寝ている子供部屋に連れていく。

隣に寝かせて布団を掛けてやれば、陽くんは既に夢の中に旅立っていた。

リビングに戻って同じように恵ちゃんを抱き上げて、子供部屋に連れていく。

ふたりを運び終えて音を立てないように子供部屋の扉を閉めようとした時、ふと笑みが零れる。

……3人ともお揃いのパジャマを着ている。

(我ながら、子供の扱いが上手くなったよな……)

佐藤家に来るようになるまで、ずっと子供が苦手だと思っていた。

ただ、単純に子供と接する機会が少なかっただけなのかもしれない。

佐藤家の子供達は、元気で、やんちゃで、すくすくと育っている。

なにより、俺を慕ってくれている。

陽くんたちに懐かれることは正直に言うとすごく嬉しい。つい甘やかしてやりたくなる。

……あんまり甘やかすと佐藤さんに怒られそうだが。