(うわー。結構、面白いなあ……)

画面から目を離さずにスナック菓子をつまんで、機械的に口に放り込む。

“サマーレイン”は男女5人のグループが山荘に泊まりにやってくるところから話が始まる。5人は事件に巻き込まれていくうちに、山荘とその主の秘密を知ることになって……。

と、いう具合にストーリーが展開されていく。

ストーリーはありきたりだが、カメラワークが斬新だった。リアルなCGも悪くない。

女優の一人の演技がちょっと嘘くさいことを除けば、昨今の映画の中ではピカイチの出来だろう。

頭の中で一通りの分析を終えるとコマーシャルの入ったタイミングで、ジュースのお代わりを注ぐべく立ち上がる。

台所から戻って来て双子の方を見てみれば、陽くんはうつらうつらと睡魔に負けて船を漕ぎはじめていた。

恵ちゃんは既にカーペットの上に横になって、すうすうと寝息を立てている。

……2時間もある映画を最後まで見るには、二人はまだ幼すぎた。

「寝るなら部屋で寝ないとだめだよ」

「うーん……」

頭を撫でながら言うと、陽くんがごしごしと己の目を擦った。

意地でも最後まで見るつもりなのだ。変な所で意地を張りたがるのは姉譲りなのか。

仕方なく脇の下に手を差し入れて、抱き上げてやる。