「ええええええーーーーーーー!?」

私は思い切り叫ぶと、その場にへにゃへにゃと崩れ落ちた。

もう完全に腰が抜けてしまって、しばらく立てそうにない。

だ、だ、だ、だ、だって、あ、あ、あ、あ、あ、あろうことか!!

「姉ちゃん!!どうした?」

悲鳴を聞きつけた樹と早苗が洗面所に駆けつけてくれたけれど、目の焦点すら怪しくなっている今の私に説明能力は皆無だった。

「け、けけけけ!!!ぷぷぷ、ぷろ……ぽぽぽぽ!!」

早苗の足に何とか縋りついて状況を説明しようとするが、結婚という一言はおろかプロポーズされたことすら伝えられない。

「兄さん、これはダメね。完全に思考停止状態よ」

早苗は頭上で腕をクロスさせおっきいバツ印を作り、樹に合図を送った。

「……ひろむが母さんの腹の中にいるって分かった時以来だな」

ええ、あの時も!!腰を抜かすほど驚いたけれども!!

今回は……それ以上の衝撃である。

目を回してひっくり返っていないのが未だに不思議なくらいだ。