「お風呂、入ってきなさい!!」

「え、俺も?」

「良いから!!着替えはあとで持っていくから!!」

4人まとめて脱衣所に押し込むと佐藤さんはピシャリと引き戸を閉めた。

これ以上、家の中を汚してくれるなということか。

俺は着ていたジャージをおもむろに脱ぎ始めた。

(まさか、佐藤家の風呂に入ることになるとは)

……それも、本人よりも先に弟妹達と。

恵ちゃんと陽くんは自分で衣類の着脱が出来るのか、既に裸になって風呂場に乗り込んでいった。

たどたどしい手つきでボタンを外していたひろむくんを手伝ってやる。

「鈴木―!!まだかー?」

「今、行くよー」

痺れを切らせた陽くんに呼ばれて答える。

眼鏡を洗面台にのせて風呂場の扉を開ければ、風呂釜には既に湯が張ってあって湯気がもくもくと立ち上っていた。