「ほら、口だけじゃなく手も動かせ。見てみろよ、恵なんてこんなに包み終わってんだぞ」

年上の3人が喋っているうちに、恵の皿の上には包み終わった餃子がてんこ盛りになっている。

「うわ、陽!!具を詰めすぎよ!!皮が破けてるじゃない!!」

加減を知らない陽の餃子はところどころ餡がはみ出ていたり、皮が破けていたりして、すかさず早苗の指導が入る。

……こうして。

ふてくされた陽をなだめたり、恵の手際の良さにびっくりしたり、ひろむの悪戯に冷や冷やされながらも、1時間かけてすべての餃子を作り終えることができた。

出来上がった餃子は、小さいものもあれば、大きいものもあって。

綺麗なものもあれば、いびつなものもあって。

まるで俺達7人姉弟のような、個性豊かな代物になったのだった。