「来たっ!!」

インターホンの音に早苗がいち早く反応し、玄関へとダッシュしていく。

(来たって……)

宅配便でも頼んでいたのかしら?

何気なくリビングの扉から顔を出し玄関の様子を伺うと、早苗が来訪者と談笑しているのが見えた。

来訪者は早苗と同じくらいの背格好の二人組である。

……っというか、普通に知っている人達だった。

「レミちゃん、ユイカちゃんいらっしゃい」

「あ、お姉さん!!お久し振りです!!」

ユイカちゃんは元気に一杯に挨拶をする一方、レミちゃんは礼儀正しくぺこりとお辞儀をしてくれた。

耳の後ろで二つ結びをしている大人しそうな子がレミちゃん、明るく活発な子がユイカちゃんである。

ふたりとも早苗の通う高校の友人だ。

「ふたりともあがってちょうだい」

早苗ったらお友達が来るなら事前に言っておいてくれれば、お菓子くらい用意しておいたのに……。

(ジュースは何がいいかしら)

来客用のスリッパを二組床に置いて早速おもてなしの準備に取り掛かろうとクルリと踵を返した途端、なぜか女子高生二人組にガシッと両腕をそれぞれ絡めとられる。