「おっと、今年から恵は早苗の手伝いをするんだったな。いつも姉ちゃんと早苗にくっついて手伝いしていて偉いぞ~」

樹くんに褒められ頭を撫でられると、恵ちゃんは嬉しそうに目を細めた。

子供用のエプロンと包丁で台所に立っている様子は、最初こそ危なっかしいものがあったが、ここ数カ月でなかなか様になってきたと俺も思う。

「プレゼントは各自持ち寄るとして……当日までは姉ちゃんに見つからないように隠しておくように!!」

「はい!!」

ボスの指示に元気よく答えるのは、優秀な隊員達である。

家族一丸でイベントに臨む佐藤家は、これまた素晴らしく統率がとれている。

「よし!!以上!!各々役割を把握したらこっそり行動開始だ」

解散の号令がかかると、集まっていた妹弟達は一斉に散り散りになる。

「樹くん」

「お、鈴木。何だ?」

口を挟むタイミングがなかなか見つからなくって、さっきは聞けなかったんだけど……。