「え~、みんな集合~!!」

佐藤さんがお風呂に入っているのを見計らったように樹くんが号令をかけると、佐藤さんを除く6人姉弟全員がリビングに集結した。

陽くんとゲームで遊んでいた俺もどさくさに紛れて一緒に参加しているのはご愛嬌。

「今から、来週に迫った姉ちゃんの誕生日会について会議を始める」

樹くんは大仰に咳ばらいをすると、本日の召集の目的を発表したのだった。

……来週の土曜日は、佐藤さんの誕生日会が予定されている。

実際の誕生日は平日だけれども、家族みんなで祝うために誕生日会は前倒して土曜日に開催されるのだ。

佐藤家は年中行事や各種イベントを非常に大事にしており、誕生日などは特に盛大に祝われる。

それはもちろん長女である佐藤さんも例外ではない。

「まずは役割分担の確認からな」

通常、他の妹弟の誕生日の場合は音頭を取るのは佐藤さんの役目だが、今回に限り進行役は樹くんが務める。

「例年通り、料理は早苗。ケーキの予約と受け取りは櫂、チビども3人は俺と家の飾りつけ担当でいいか?なんか、意見がある奴いる?」

恵ちゃんがおずおずと手を上げているのを発見すると、樹くんは思い出したように訂正する。