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「おい、渉。どういうことだよ」

「え?」

「全然、違う!!」

「総務部の”サトウ”さんだろ?あれ?”サイトウ”だった?」

(渉に任せた俺がバカだった)

指定されたレストランに渉と一緒にやってくれば、お目当ての佐藤さんではなく全くの別人が座っていたのだ。

声を低くして問いただせば、この男はへらへらと笑うばかりで。

……もう渉に頼み事はするまい。

俺は心に固く誓うと全く興味のない”佐藤さん”の前で無理やり笑みを作り出すのだった。

報復として受付嬢との合コンをドタキャンしてやったのは、言うまでもない。