「樹にも早苗にも心当たりがないか聞いたんだけど知らないって言うのよねー。おかしいわよね?」

話の雲行きが怪しくなってきたことを察した鈴木くんが、挙動不審になってキョロキョロと周囲の様子を窺いだしたのを見てここぞとばかりに一気に畳みかける。

「ねえ、どうしたらいいと思う?」

作り笑いを浮かべて微笑みかけると、鈴木くんは降参と言わんばかりに椅子の上で正座した。

「ゴメンナサイ……」

「あれほど勝手に買っちゃダメって言ったのに……」

当然ながら、ゲームソフトを買い与えた犯人は鈴木くんである。

欲しいと言い出すとキリがないから、値の張るおもちゃやゲームソフトの類を買うのは誕生日やイベントの時だけと決めているのだ。

「ほんっとに!!ごめん!!陽くん達が持ってないって言うから!!つい!!」

「……3本も買っておいて“つい”ってことはないでしょう?」

手を合わせ拝むようにして必死に謝る鈴木くんを冷ややかに見下ろす。

「隠していたゲームは子供達から没収しました。鈴木くんにも罰を受けてもらいます」

1本ならともかく3本ともなると、もう容赦は出来ない。

判決を待っている鈴木くんに対し、私は考えうる最大級の罰を与えることにした。