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ゲームばかりしていてはダメだと午後になって公園に出掛けさせて、埃だらけになって帰ってきた4人をお風呂に入るよう急かすと3時になっていた。

「クッキーっ……!!」

「髪の毛を乾かした人からね」

3時のおやつは自家製のクッキーだ。

丸く型抜きしたものにジャムをのせたクッキーは恵の大好物だった。歓喜の声を上げていた恵はもちろん、他の3人の胃も大満足である。

お皿いっぱいにのったクッキーをペロリと平らげると、今度は大人数用のボードゲームに関心が移っていく。

「あれ?俺の分は?」

「ごめんね、売り切れちゃったみたい……」

子供達から遅れること10分。髪をタオルで拭きながらリビングにやって来た鈴木くんは、もはや食べかすしか残っていない皿を見るなり落胆した。

「酷いや……」

「まあまあ、また今度作るから」

ガックリ肩を落としている鈴木くんを宥めていると、陽が小生意気に鈴木くんを名指しで呼んだ。

「鈴木ー。早く来いよ!!お前が銀行役だかんな!!」

「はいはい。今、行くから……」

(あらあら……)

よろよろと覚束ない足取りで子供達の元へ行く姿には何とも言えない悲壮感が漂っていたので、今度機会がある時は鈴木くんの分も取っておこうと心に誓う。