「陽、うるさい!!お前のせいで“モノタウルス”逃がしちゃっただろう!!」

「陽の……バカ!!」

涙目になった恵まで静弥くんと一緒になってクッションを投げつけるものだからさあ大変。

先ほどまで和やかな雰囲気だったリビングはあっという間に修羅場と化した。

(うーん……。どれひとつとして理解できない……)

盛大にクッションをぶつけあっている子供達を横目に台所でお昼ご飯の炒飯を作っていた私は苦笑いするしかなかった。

子供達と鈴木くんがゲーム大好きであるのとは対照的に、私はゲームに関してはさっぱり興味が湧かない。

鈴木くんが子供達に混じって夢中になるくらいだから、きっと楽しいんだろうなとは思うけど、やってみようという考えに及ばないのがまた不思議である。

「ほら、みんなー。ゲームはおしまいにしてご飯を食べましょう?」

「はーい!!」

陽と恵、ひろむと静弥くん、そして鈴木くんは元気よく返事をすると、ダイニングテーブルについたのだった。