―――いつもの朝だったけど、今日はちょっと違う。


レンの家に寄っていく事になったあたし。


インターホンを押すと、ゆっくりとした足音と松葉杖のコツコツとした音が聞こえた。



「…おはよう。」


「おはよ。ヒナ先輩!!」


朝から元気なレン。ちょっと羨ましい。



「あんた…本当に馬鹿だよね。」


「なんで?」


「最近周りに気使いすぎじゃない?」


「そんな事ないよ。俺のしたいようにしてるだけだもん。」


違うでしょ…―――


違う。


「そんなの緋崎じゃない…」


「どこがだよ。」


「そうやってなんでも笑い飛ばそうとするところとか。」


「……」