とりあえずさらっとひと通り話した。


…キス以外の事はね……


「アンタさあ…」


「うん。」


「レンの事嫌いじゃなかったっけ??」


「嫌いだよ。」


「嘘つき。」


ああ。アヤカが本当に怖い。


嘘つき。ね。そうかもしれない。

だって今はそんな嫌いじゃないし。
だからって…

好きなわけじゃないけど……


「いや。確かにね。嫌いって言うのは嘘だけど……」


レンが昨日家に送ってくれるついでにコンビニに寄って買ってくれた、おいしそうなプリンを手に持ちながら、あたしは溜息をついた。


「好きでもないと?」


「そりゃあ…ね。」


「ふーん。」


プリンを一口食べると、なんだか苦い気がした。