「俺ねえ、昨日あんまり寝てないんだ。」
ポツリとレンが呟く。
あたしはレンの手を握ったまま。
「・・・なんで・・・?」
「ヒナ先輩に会えるの楽しみにしてた。」
「ちょっとー。あんたガキじゃないんでしょう?」
下を向いていたレンが顔を上げた。
「ガキなんだよ・・・やっぱり・・・俺。」
悲しい顔。やっぱり理由はわからない。
「緋崎・・・今日、変だよ。」
「・・・・・・」
今日のレンは、明らかに変だ。何を伝えたいのかも、さっぱり解らないし。
「よし!!緋崎。ゲームしよ。」
「・・・え?」
レンの間抜けな声。
あたしは、レンの苦しみがどんなものか解らないけど・・・―――
苦しいのだけは解るから。
せめて苦しさを紛らわせて。

