「なんでヒナ先輩とヒロタカ先輩付き合ってるんだろうなって。」


「へ・・・?」


さっきまでの緊張感も必死さもなく、さらっと口にしたレン。


「だってヒナ先輩、ヒロタカ先輩の事好きそうじゃないし。」


「・・・なんでそんな事・・・。」


「俺さ、悔しいんだよね。

俺はヒロタカ先輩に勝ってるはずなのに・・・負けてて・・・
なんで・・・・・・」



レンの言いたいことは解らなかったけど・・・


なんだ。
この人だってどこかにわだかまり。弱さだってあるんだ。



「大丈夫。大丈夫・・・緋崎は・・・ヒロに勝てるよ。
今は負けてたって、絶対勝てるよ。

大丈夫・・・。」



レンの少し震える手を握る。



レンにはヒロにはない素敵なものがいっぱいあるよ。


大丈夫。



あなたはこんなにも綺麗なんだから―――